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アニマの器
E.S.の動力炉
生物の脊髄に酷似した物質。原理は不明だが、ゾハルからのエネルギー受信システムとして機能する為、の動力炉として使用されている。
ケイオスの半身
アニマの器とは言わばケイオスの半身であり、ケイオス自身は、この宇宙のフェイルセイフ的能力──つまり宇宙の意識が暴走しかけたとき、宇宙ごとそれを消し去る能力をもっており、アニマとはその力が発露したものである。
太古、マリアによってケイオスの半身であるアニマはアニマの器として分断化され、世界消滅の危機は回避されるが、マリア自身の半身アニムスも集合的無意識の場──つまりU.M.N.に拡散してしまう事となる。
アブラクサスの血
移民船団の血を引く人間の意
惑星アブラクサス移民船団系の人間によって構成された惑星国家だった為、その移民船団の血を引く人間の意として使われている。
ユリウスセルギウスといったオルムスの教皇達もアブラクサスの血を受け継いでいる。
アベルの方舟
ミルチア宙域に出現した巨大グノーシスと推測される存在
星団連邦ではミルチア宙域に出現した巨大グノーシスとして認識されている。中央の発光体は惑星ではなく、巨大なエネルギー場の様な物と推測される。
ウ・ドゥの意識が具現化した際の知覚現象
上位領域の存在であるウ・ドゥアベル)の意識(虚数)側が、下位領域に具現化した際の知覚現象。知覚現象という意味合いではグノーシスのそれと同様であるが、存在そのものとしては全くの別物である。
旧ミルチアの崩壊時、アルベドの意識を観測したアベルの方舟(ウドゥ)は、以後、より確実に下位領域を観測するため、その接点となっているゾハルを取り込んだ。
シオンの覚醒後、人の意識を反映した方舟は虚数化現象を加速。太古に造られた対上位領域システムであるツァラトゥストラの稼働を探知し、ミクタムをその内部へと取り込む。
この行為は、ツァラトゥストラを破壊しようとしたのではなく、純粋に下位領域の意識の動きを“観測”しようとしたからに他ならない。
アルビテルコード
ゾハルエミュレーターの封印を解除する為のコード
ゾハルエミュレーターの封印を解除するためのコードのことで、ミルチアの代表であるヘルマーは、ゾハルエミュレーターの暴走事故やテロの危険回避の為の措置として、回収したゾハルエミュレーターをケージ内に封印し、その解除コードをゴドウィン姉妹の意識内に埋め込んだ。
彼女達二人の解除コードがなければガイナンやJr.であってもエミュレーターを起動することはできない。
E.S.
アニマの器が搭載された人型機動兵器の総称
アニマの器が搭載された人型機動兵器の総称。
コクピットは単座型と複座型の二種類があり、その違いはパイロットとコ・パイロットを分けて火器管制をする必要があるかないかで、多数の火器が装備された機体のほとんどは複座型となっている。オルムスの機体は機能特化されているため、単座型となっている。
E.S.の機体サイズ自体は標準的なA.M.W.S.と大差はないが、その戦闘力は桁違いのものがあり、武装とパイロットの組み合わせによってはA.M.W.S.一個師団に匹敵するだけの戦闘力を秘めている。
最たる理由として挙げられるのが、稼働に必要なエネルギーの質とその供給方法が全く異なっている点であろう。A.M.W.S.はA.G.W.S.同様、母艦からのパルスエネルギー転送で稼働しており、それはU.M.N.との通信状況や、母艦の状態に大きく依存し、必然的に単位時間あたりのエネルギー供給量は限定されてしまう傾向にある。
特に戦闘によって母艦が轟沈してしまうと、基本的には内蔵コンデンサや補器として搭載されているコジェネレーターで稼働するより他に方法がなくなってしまう。しかし、搭載されている火器やロジカルドライブなどは、あくまでも母艦からの高パルスエネルギー供給を受けることを前提として設計されているため、それらをフルスペックで稼働させることは不可能となってしまう。
対してE.S.のそれは、アニマの器を仲立ちとしてゾハルからのエネルギー供給を受けて稼働しているため、原理的にその供給量は無限であり、また母艦の状態にも場所にも依存しないので、その戦闘行動半径や武装には事実上制限がない(もっとも機体のマスバランスや機動力を大幅に低減させるような度を超した巨大な武装が使用されるケースは希だが)。
ただし、アニマの器をゾハルとリンケージさせるには、搭乗者にその適性がないと不可能で(要するに起動させる事すら出来ない)、また適性者の数も星団全体でもごく少数である事から、自然とその運用は戦術レベルのものに限定されているようである。
E.S.アシェル
ケイオス、Jr.の搭乗機
ケイオスJr.の搭乗機。Jr.用にカスタマイズされた機体である。地上戦、空戦双方をこなす万能機で、武装も、ほぼ全ての局面に対応出来るものが用意されている。
エルデカイザーのジェネレーターを補器として装備する。補器とはいうものの、元々はエルデカイザー稼働用にフルチューンされたジェネレーターの出力は破格で、アニマの器を介さずとも、支障なく全ての兵装をフルスペックで運用できる。
ツァラトゥストラからの脱出の際、アニマの器を失ったアシェルが再起動していたのも このジェネレーターによるものである。またジェネレーターには機密保持の目的から自爆装置が実装されている。
E.S.イサカル
ペレグリーの搭乗機
ペレグリーの搭乗機。エアッドを利用した全方位、複数同時攻撃を主体とした機体で、空戦能力はオルムス中随一の性能を誇る。エアッドの接続基部はフレキシブルシールドとしての運用も可能。近接防御用としてスピアを装備する。
E.S.ガド
リヒャルトの搭乗機
リヒャルトの搭乗機。その華奢な外見に似合わず、砲撃戦に特化された機体で大型、大出力の火器を装備する。装甲の薄さを機動力で補っている。
E.S.シメオン
アルベドの搭乗機
アルベドの搭乗機。ロジカルドライブの機能を持った長大なテイルスタビライザーを装備し、高機動戦闘を得意とする。遠距離、近接を問わず様々な戦局に対応できるオールマイティーな機体。
ミルチア、ラビュリントス内の工廠で建造されていた。
テスタメントとなってからは、アニマの器を新たな機体に移し替えて使用されているが、名称、基本的な機体特性は同様である。
E.S.ゼブルン
ジギー、モモの搭乗機
ジギーモモの搭乗機。モモ用にカスタマイズされた機体である。多数の火器を内蔵した遠距離砲撃戦専用機。
他のE.S.より機動力が劣る分、エアッドによる全方位攻撃がその欠点をカバーしている。あまりに多いその搭載火器は、複座型とはいえ通常のコ・パイロットによる制御はまず不可能で、百式観測器モモだからこそ成せる技と言ってよいだろう。
E.S.ダン
ヴォイジャーの搭乗機
ヴォイジャーの搭乗機。可変式の巨大なシールドを装備し、ヴォイジャーの空間歪曲能力と相まって、その防御力は絶大なものがある。シールドをたたんだ巡航形態時の機動力はシメオンに匹敵する。
E.S.ディナ
KOS-MOSの追加兵装として建造された機体
KOS-MOSの追加兵装としてケビンによって建造された機体。シオンの搭乗機でもある。あえて正規の登録は行われておらず、当然ヴェクター社内の扱いもKOS-MOS開発計画におけるデータ収集用の一機材の域を出る物ではなく、機材としての減価償却も既に終了していた。
そのため、シオンの独断運用も看過されることになるが、物がE.S.であるだけに、後日公式にヴィルヘルムからクーカイ・ファウンデーションに貸与の申し入れが行われた。
機体特性としては航宙クルーザー並の長距離航行能力と、高速高機動戦闘能力が挙げられる。火力面も充実しており、特筆すべきはKOS-MOSと連動運用した際に使用可能となる、Xバスターがある。これはKOS-MOSのXバスターのスケールアップ版ともいえる物である。
複座型ではあるが、KOS-MOS非ドッキング時は、機体コントロールから火器管制までシオンが全て一人で行っており、下段シートは単なるナビシートと化しているようである。頭部内にタブバイクドッキングコネクターを有する。
E.S.ナフタリ
バージルの搭乗機
バージルの搭乗機。砲撃戦に特化された機体。機動力は他のE.S.より若干劣るものの、内蔵された無数の火器による攻撃がそれを補っている。巡航形態への可変機構を持っている。
E.S.ユダ
赤い外套者の搭乗機
赤い外套者の搭乗機。
ケビンの搭乗機
ケビンの搭乗機。近接機動戦闘を得意とする機体。
装備された二本のナイフは、U.M.N.の物理事象面の構造体に直接アクセスし、物質であればどんなものでも両断してしまい、事実上防御は不可能。唯一の対抗策は、ケビンと同様にU.M.N.の構造体にアクセスし、“そちら側”で防ぐ事だが、それが可能なのは、その能力を持った限られた者──つまりE.S.に適正を持った者のみということになる。
このような事からもE.S.同士の戦闘は、物理事象(物質世界)での直接的な戦闘行為よりも、本質的には意識世界での攻防が主体となると捉えることができる。
E.S.ヨセフ
ヘルマンの搭乗機
ヘルマンの搭乗機。巨大な棍による近接戦闘を得意とする。
リヒャルトのガドとは常にツーマンセルで行動し、装甲の薄いガドの防御盾的な役割も担う。
E.S.ルベン
ジンの搭乗機
ジンの搭乗機。ジン用にカスタマイズされた機体である。近接戦闘に特化された機体で二振りの実剣を装備する。高次元機動戦闘を重視した結果、装甲は薄く、盾の類も装備していないが、実剣による攻防一体のジン特有の戦闘スタイルがそれを補っている。
他のE.S.に装備されている様な重火器は持たないが、ルベンはジンの剣技──剣から発せられる衝撃波による特殊攻撃が可能で、離れた敵に対しての実効的な攻撃手段を持つ。
E.S.レビ
マーグリスの搭乗機
マーグリスの搭乗機。本来は遠近双方の戦闘をこなす万能機として設計されたが、搭乗者であるマーグリスの意向でその遠距離兵装の全てが外され、代わりに一振りの長剣が装備される。威嚇用として、クナイ型の投擲武器と小型の投擲榴弾を装備する。
展開型の大型ロジカルドライブは格闘専用のクローとしても使用可能である。
イェオーシュア
ヴィルヘルムがケイオスを呼ぶ時の呼称
ヴィルヘルムケイオスを呼ぶ時の呼称。
異端審問官
オルムスに属する組織
オルムスに属する組織。
教団組織の中でも特異なポジションにあり、その長となる枢機卿は教皇に匹敵する発言権、影響力を持つと言われている。
オルムス赦律省特務局に属する組織
オルムス赦律省特務局に属する組織。省の名前がついているが、事実上教皇庁からは独立した組織で、聖遺物──ゾハル、アニマの器など──の守護、異端者の裁断を執り行っており、T.C.4600年代には、事実上星団連邦一方面軍に匹敵する軍事力を持つ組織へと成長した。
当然教団組織の中でも特異なポジションにあり、その長となる枢機卿は教皇に匹敵する発言権、影響力を持つと言われている。
階級面では、軍事組織として活動している時の一般的な階級と、オルムス内での階級の二つが存在し、オルムス内での階位は審問官長、僧兵隊長、司祭長などがある。聖遺物の研究を行う秘跡省とは密接な繋がりを持つ。
ウ・ドゥ
U.M.N.に存在する謎の波動
ウーヌス・ムンドゥス・ドライヴオペレーション・システム。元々は、U.M.N.のナビゲーションデバイスとして生み出された制御A.I.と言われており、ヨアキム・ミズラヒの手によって、ゾハルの統御デバイスとして援用されていた。
ヴェクターの記録によれば、ウ・ドゥとの接続実験の歴史はロスト・エルサレム時代まで遡り、U.M.N.が整備される遥か以前より、波動存在として認識されていたようである。
今もってその詳細は明らかにされてはいないが、我々とは別の次元に存在する意識体であり、ゾハルとその暴走によって引き起こされる局所事象変移に深い関わりがあると考えられている。
特定の人物がこの波動存在と接触を持つことができることを知ったU-TIC機関は、それと接触可能な被験者達を集め、ゾハルの稼動実験を行っていた。
彼らはこれをウ・ドゥシステムとして完成させようとしていたが、結局、ゾハルの暴走を招く結果となってしまった。
ウ・ドゥ・シミュレーター
エンセフェロン内に擬似的にウ・ドゥ波動を生み出すシステム
ユーリエフ・インスティテュートで製作された、エンセフェロン内に擬似的にウ・ドゥ波動を生み出すシステム。主にU.R.T.V.連結実験に使用された。このシミュレーターを使い、U.R.T.V.の反波動の調整も行われていた。
あくまで擬似的にウ・ドゥ波動を生み出すシステムなのだが、エンセフェロンでの演習中に、何度かU.R.T.V.標準体が汚染される事故が発生している。
システムの元となった、ウ・ドゥの波形サンプルは施設の責任者であるディミトリ・ユーリエフによってもたらされたものである。だが、彼がいつこのサンプルを手に入れたのかは明らかにはされていない。
ディミトリ・ユーリエフは、かつて行われていた生体の転移実験の被験者であり、その際にウ・ドゥと接触をしている。彼はその時のデータから、波形サンプルを手に入れシステムの設計を行った。
オメガ・イド
オメガ・ウーニウェルシタースのジェネレーター出力上昇形態
オメガ・ウーニウェルシタースのジェネレーター出力が上昇した際に、機体の耐久度を上昇させるためにオートマティックでこの形態に変形する。
ジェネレーターの出力の上昇はパイロットの精神パルスを読み取って実行される。
オメガ・ウーニウェルシタース
星団連邦政府が開発した、オメガの試作機
星団連邦政府移民船団国家から入手した、恒星間戦略統合兵器の開発コンセプトをもとに、独自の路線で開発を行ったオメガタイプの試作機。ミルチア紛争時は、連邦管轄の兵器工廠から、ロールアウト直後の機体がU-TIC機関によって接収されている。
機体を小型化する事によって連続稼働時間の延長に成功したものの、搭載ジェネレーターの最大出力は機体の耐久度をはるかに越えるものとなってしまい、結果として開発当初に想定していた連続稼働時間には及ばないものとして完成した。
機体の脆弱さを改良するために、ジェネレーターの出力向上に伴い、機体自らがその出力に耐えうる形態に変形するシステムを搭載している。このシステムは搭乗者の精神パルスを読み取り、機体への反応速度が上昇するに従ってオートマティックに機体の変形を実行するといった革新的なシステムとなっている。
しかしながら、機体のポテンシャルが搭乗者の精神状態に左右される。また、精神パルスが不安定になった場合、機体の暴走が起こるという危険もはらんでいたため、現在は搭乗者の模擬人格を搭載した無人機として統合先進技術試験場の特殊兵装開発区に拘留されている。
オメガ・メテンプシューコーシス
オメガの究極形態
ゾハルを取り込み、から得られたデータを完全に復元した結果、その姿を変移させたオメガの究極形態。神の遺物の一つ。
ゾハルを取り込んだ際の外観の変化は、元々オメガの持つ自己変革機構がその永い眠りから目覚めたことによるもので、オメガはロスト・エルサレム時代にこの形態に近い形で存在していたと思われる。
ゾハルを介して直接流れ込んでくる高次元の“力”を、この次元宇宙で安定化させる必要性から、そのコア──制御デバイスにアベルが組み込まれている。
『Ω metempsychosis』を直訳すると「オメガによる輪廻」となる。
オメガ・レース・ノワエ
プロトオメガをベースに再生された機体
ミルチア崩壊時に回収されたプロトオメガをベースに、ディミトリ・ユーリエフが対移民船団用として再生、部分改修した機体。
オリジナルゾハルこそ格調されていないものの、コアモジュールとしてアベルを使用しているため、その出力は元のプロトオメガを大きく上回るが、エクステリア自体に大きな差異はない。ただ、補器としてエミュレーターの模造品を使用しているため、動作が不安定であり、100%の性能を引き出せてはいない。
『Ω res novae』を直訳すると「オメガによる革命」となる。
オリジナルゾハル
全ての鍵となる金色の物体
A.D.20XX、ケニアでの遺跡発掘作業中に突如出現し、その後ヴェクターにより回収され、研究が続けられる。研究者の一人であったグリモア・ヴェルムによる連結実験の失敗により、事象変移が引き起こされ、その結果ロスト・エルサレムは消滅してしまう事となる。
後に、ヨアキム・ミズラヒによって再び研究がなされ、様々な人物が関わっていくこととなる。
15年間、旧ミルチアに封印された状態にあったが、Y資料の流出により再び出現し、オルムスの教皇セルギウスの手に落ちる。だが、その後引き起こされた局所事象変移に巻き込まれ、アベルの方舟と呼ばれる巨大グノーシスに飲み込まれたまま、現在も行方は不明である。
虚数領域
グノーシスの存在している時間軸
我々の宇宙は、実際に知覚出来る実数宇宙と、知覚することの出来ない虚数の時間軸を流れる虚数宇宙の二つの実相(及びゼロ)によって構成されているという説がある。
虚時間の概念そのものは、ホーキングが特異点──つまりは神の存在──を使用することなく、宇宙を誕生させるために考案した理論であり、これを使えば、宇宙には『始まり(ビックバン特異点)』も『終わり(ビッククランチ特異点)』もなく、ただ多次元的超球面によって構成されているとすることが出来る。
劇中では、グノーシスはこの虚数の時間軸に存在し、実数宇宙に干渉する。
グノーシス
虚数空間に存在している非物理的な存在
虚数空間に存在している非物理的な存在。
実数領域側からは物理的な接触ができないとされていたが、システム、ヨアキム・ミズラヒによるヒルベルトエフェクト百式観測器の開発により、実数世界の人間による干渉が可能となった。
虚数領域側の存在全て
別次元に存在する非物質的な存在で、人類側から見たエイリアンのような存在。平時は実体化しておらず、物理的攻撃も効かない。実体化した際の構成成分は、水や水酸化ナトリウムのようなもので出来ているようだが、それがなぜ人類に敵意を持っているのかは明らかになっていない。外見上はさまざまなタイプが存在しており、便宜上、それぞれに幻想生物の名が付けられている。
本来、実在事象とは切り離された“虚数領域”に存在する為、物理法則に則った、現用兵器での攻撃はすべて無効化されていた。ただし、グノーシスがこちらを攻撃する際に、攻撃する部分を局所的に実数化させることを利用し、その実数化箇所を予測するD.S.S.S.システムが開発されるが、思うような成果は得られなかった。
その後、ヨアキム・ミズラヒによりヒルベルトエフェクト百式観測器が開発され、実数世界の人間による干渉が可能となった。
この世界の宇宙は実数領域と虚数領域が重なって構成されており、実数領域を物質──肉体とするならば、虚数領域は意識──心と捉えることも出来る。グノーシスとはこの虚数領域側の存在全てを指す。
人間に限らず全てのモノに虚数領域があるので、劇中に登場した「惑星のグノーシス」といったモノも存在する。虚数領域では全ての意識がさらけ出されている状態なので、例えば“他人の悪意”といったものも直接感じ取れてしまう事になる。
人間がその虚数領域の持つ恐怖に接触し、そこからの逃避、拒絶を選択するとグノーシス化する。
一見集団で行動しているように見受けられるが、それぞれが拒絶、散逸、拡散の意識をもって行動しており、ある種の救いを求めて放浪していると取る事も出来る。この拒絶、散逸しようとする意識が宇宙を危機に陥れていると言えるだろう。
ヴィルヘルムは、これら人の負の意識をツァラトゥストラに集中させ、再び人の望む世界へ回帰する為の永劫回帰を起こそうとした。
グノーシス変容体
グノーシスに接触された人の姿
グノーシスに接触された人の姿の事を指す。グノーシスに接触された人の多くは白結晶化し消滅してしまうが、まれに部分的にグノーシス化するケースが報告されている。
グノーシス現象
人や物、惑星などが突如としてグノーシス化してしまう現象
人や物、惑星などが突如としてグノーシス化してしまう現象の事。グノーシスとの直接接触の結果としてだけでなく、離れた場所でも連鎖反応的に起こる為、その関連性の解明が急務となっている。
グノーシス【聖堂船】
惑星サイズの物体がグノーシス化したもの
惑星サイズの物体がグノーシス化したもの。その外観に聖堂様のものが多く、周囲に無数のグノーシスを伴っていることからこの名が付けられた。
グノーシス【ポーター】
運搬作業員タイプと呼ばれているグノーシス
ヴォークリンデに出現したグノーシスの一種で、ゾハルを体内に飲み込み、そのまま運び去った。
グノーシスには戦闘を行うもの以外に、別の役割を持った種類が存在し、このタイプは便宜上、『ポーター=運搬作業員タイプ』と呼ばれている。
KOS-MOSアーキタイプ基礎理論
ケビン・ウィニコットによって研究されていた人型掃討兵器の基礎理論
ケビン・ウィニコットによって研究されていた人型掃討兵器の基礎理論であり、シオンはこのデータを元にKOS-MOSのブラックボックスであったコアを修復した。ケビンは15年前にはすでにこの理論の基礎を構築していた。
元々アーキタイプ用のデータであったため、KOS-MOSバージョン3と互換性はなく、シオンとアレンによって躯体の再設計が行われた。その為KOS-MOSの姿は、初期のものに近い形状へと変更されている。
十三番目の鍵
ロート・マンテルの言った言葉
ロート・マンテルが、シオンとKOS-MOSを指して言ったと思われる言葉。
ヴィルヘルムの目的達成に不可欠な要素の一つ
T-elosがKOS-MOSに向けて言い放った言葉。ヴィルヘルム達の目的達成のために不可欠な鍵──十二器のアニマの器の覚醒と、その最終段階であるマリアの覚醒との関係から、十三番目の鍵──という言葉を使ったものと思われる。
巡礼会議
ロスト・エルサレムへの扉の開放を目的とした会議
ゾハルによるロスト・エルサレムへの扉の開放を目的とした会議。
移民船団の本団が惑星アブラクサスの領有権を主張した頃から開催されるが、時が経つにつれてその意味を知る者は少なくなり、T.C.4600年代においては単なる古めかしい宗教的儀式としてしか認知されなくなっている。
大原則として移民船団国家によって運営される会議であるが、星団連邦政府の立会いも必要とされている。時の教皇の力──ゾハルに対する親和性を、民衆や連邦政府に誇示する目的があったものと思われる。
巡礼船団
グノーシスの別称
グノーシスの別称。
グノーシスの項目を参照。
処刑人
ニグレドを指す言葉
U.R.T.V.個体No.669ニグレドを指す言葉。
ニグレドがU.R.T.V.個体No.666ルベド──レッドドラゴンを抹殺する機能を持たされていた事から、アルベドによってこう呼ばれる。
ゾハルエミュレーター
オリジナルゾハルのエミュレーター
エミュレーターとは、ある特定のコンピューターのシステムを、異なるハードウェアやソフトウェアで擬似的に動作させる物の事であり、劇中では故ヨアキム・ミズラヒによって製作されたオリジナルゾハルのエミュレーターの事を指す。
U-TIC機関では、オリジナルの補器として、惑星アリアドネ等での連結実験に使用されたが、本来はオリジナルを稼動させる為のイグニッション的な役割を持つ。ヨアキムによって全部で十二器が製作され、それぞれに十二使徒の名前が記されている。
ミルチア紛争後に行方不明となったが、現在、十二器すべてがクーカイ・ファウンデーションにより回収、管理されている。
フィフス・エルサレムでの演習時にオメガ・レース・ノワエのコアとして使用されたのは、セラーズ博士が余剰部品によって組み上げられたエミュレーターの模造品であり、出力の制御が不安定のまま使用され、オメガの暴走を招きかけた。
ゾハルの民
移民船団の直系の遺伝子を持つ人間を指した呼称
移民船団の直系の遺伝子を持つ人間を指した呼称。
かつてのミクタムミルチアはその人口の大半がゾハルの民だった。
秩序と混沌の羅針盤
ヴィルヘルムの執務室に置かれた羅針盤
ヴィルヘルムの執務室に置かれた羅針盤で、KOS-MOSの覚醒に反応する。
その台座には、トゥルカナ湖で発見されたゾハルを模したプレートとそれをはめた石版が使われている。
ヴィルヘルムはこの羅針盤を使い、様々な情報を手に入れているようだが、その原理は謎に包まれている。現在は混沌のリングが機能しておらず、秩序の羅針盤とも呼ばれる。
ヴィルヘルムの執務室に置かれた羅針盤
ヴィルヘルムの執務室に置かれた羅針盤で、KOS-MOSの覚醒に反応する。
その台座には、トゥルカナ湖で発見されたゾハルを模したプレートとそれをはめた石版が使われている。
羅針盤は、ミクタムに眠るツァラトゥストラの端末であり、宇宙全体の意識の流れの状態を示す機能を持っている。ヴィルヘルムはこの羅針盤を通し、プログラム・カナンによって集められた情報をツァラトゥストラに送っていた。
ツァラトゥストラ
謎に包まれた存在
謎に包まれた存在。それが、物質なのか非物質なのかすら不明。
永劫回帰装置
太古の人の手によって創られた装置。巨大な羅針盤状の物体はコントロール端末の様な物で、本体はミクタム地下に広がる水晶状の構造体そのもので、同様の構造を持ったシオンペンダントがその制御キーとなっている。
本来は神の世界へと侵攻する目的で創られたが、“下位領域の保護機能”(下位領域での完結)的役割を持つヴィルヘルムによって永劫回帰装置としての機能を付加される。
永劫回帰の機能発動のためには、神の力(ケイオスの力)のコントロールが必要となる。各アニマの覚醒や、ケイオスと心を通わせたマリアによる導きは、全てその為のもの。
神の観測端末であるアベル及び方舟──つまりウ・ドゥを下位領域に封じ込める必要があるため、それらをツァラトゥストラへと誘因する機能も付加されている。
テスタメント
ヴィルヘルムの側近
異なる色の外套を纏ったヴィルヘルムの側近達のこと。謎の機動兵器を操り、空間さえも歪める力を持つ。その力は強大で、プロトオメガを操っていたセルギウスさえも一瞬のうちに消し去ってしまった。
実数領域の枷を外した存在
異なる色の外套を纏ったヴィルヘルムの側近達のこと。それらはケビンらの死後の姿だが、転生ではなく、実数領域の枷──肉体──を外した存在で、虚数領域側(意識の側)からアクセスし、実数領域の物理事象を意のままにコントロールする事でその能力の行使を可能としている。
物理事象のコントロールは、実数領域に在る者の知覚にも直接作用するため、あたかも彼らがそこに存在するかのように見ることが出来る(網膜で光子を捉えている訳ではない)。対象者の知覚に直接作用しているので、光子の振る舞いに依存している写真や、ビデオカメラ等には映らない(映るように作用させる事も出来る)。
かつて、ケイオスのアニマの力に純粋に反応した者──それがジンの前身であったのか、バージルの前身であったのか、ヴォイジャーの前身であったのか、それとも全く別の者の意識であったのかは定かではない──が、世界を崩壊へと導いた。
それらアニマの力──宇宙のフェイルセイフ──に純粋に反応してしまう者達のアンチ存在として、意識を逆位相にコントロールされた結果誕生した者がテスタメントとなる。
ヴィルヘルムの目的達成のためには、全ての者が逆位相にシフトする必要はなく、ある一定の質量──臨界を超えると連鎖的に全てが逆位相へとシフトされる。その一定の臨界質量が現テスタメント達である。
ヴィルヘルムはテスタメント達とある種の契約を結んでいる。これは、自身の手足となり働くだけでなく、ヴィルヘルムの持つ時間回帰の能力を補うためでもある(フェイルセイフ発動のためにアニマの力が必要なのと同様、ヴィルヘルムもまた逆位相のアニマの力を必要とする。その力の点火線となる存在がマリアとなる)。
バージルにとっては、フェブロニアとの逢瀬がその存在の全てであり、バージルは、その瞬間を永遠に感じたい、フェブロニアの死があるからこそ今の自分がある──そう考えていた。ヴィルヘルムはバージルにその永遠の時を提示したのである。
アルベドには、その本来の望みを叶えようと提示している。アルベドは表面的には消滅願望によって動いているが、これは分離不安のようなもので、本質的にはJr.との統合を望んでいる。
Jr.はディミトリによってウドゥ消去の手駒として利用される運命にあり、アルベドはそれを知っていたのではないだろうか。統合願望は、ある種の保護意識として作用し、テスタメントの力を得てディミトリと対峙することでJr.を護り、最終的にはその本来の望みであるJr.との意識の共有を果たし、永遠の安息を得る──それをヴィルヘルムから提示されて動いていたフシがある。
天の車
ヨアキム・ミズラヒによって製作された巨大研究プラント
ヨアキム・ミズラヒによって製作された巨大研究プラントで、百式観測器のプロトタイプやヒルベルトエフェクト等の研究が行われていた他、特殊タイプのレアリエンの研究も行われていた。
本来は、ネピリムの歌声と共にプロトオメガの母艦として運用される予定であったが、サクラを失ったヨアキムが、モモを生み出す為のプラントとして使用していた。
ミルチア紛争後に連邦政府に接収され、アビスへと封印されたが、アルベド・ピアソラによって復活させられた。
グノーシスを取り込み、エネルギーに変換し、それを兵器として利用することが可能で、実際に使用すれば連合艦隊を瞬時に消し去るほどの威力を持っている。
実はヨアキムは、この機能を兵器としてでなく、モモに娘の意識を復活させるために用いていた。
特秘データ
S-Divisionの中に収められているヴェクターの秘匿情報
U.M.N.内に存在するS-Divisionの中に収められているヴェクターの秘匿情報。主にU.M.N.や過去に執り行われた裏取引などの非公開情報が記録されている。
シオンはスキエンティアと協力し、これらの情報を集めヴェクターの正体を探ろうとしている。『レメゲトン』や『グリモア・ヴェルム』のデータも、この秘匿された情報の一つである。
内に存在するの中に収められているヴェクターの秘匿情報。主にU.M.N.や過去に執り行われた裏取引などの非公開情報が記録されている。
シオンはスキエンティアと協力し、これらの情報を集めヴェクターの正体を探ろうとした。『レメゲトン』や『グリモア・ヴェルム』、『プログラム・カナン』のデータも、この秘匿された情報の一つである。
ナートゥス・グラキエース
アベルの方舟で生まれた巨大生命体
ゾハルエミュレーターに取り付いたグノーシスアベルの方舟体内という環境により突然変異し、生まれた巨大生命体。
青みがかった緑色の躯体は細身で一見華奢にも見えるが、主武器である大剣を軽々と振り回すパワーと、微細な動きまでを完全にコントロールしきる繊細さを併せ持っている。
なおナートゥス・グラキエースというその名は「氷より目覚めしもの」を意味する。
ナートゥス・テッルーリエ
アベルの方舟で生まれた巨大生命体
ゾハルエミュレーターに取り付いたグノーシスアベルの方舟体内という環境により突然変異し、生まれた巨大生命体。
深緑にオレンジという安定感のあるその躯体は超接近戦において圧倒的優位を誇り、中でも左腕に備わる変形可能なドリル機構はあらゆる物を瞬時に粉砕出来るパワーを持つ。
なおナートゥス・テッルーリエというその名は「地より湧き出しもの」を意味する。
ナートゥス・フラッマ
アベルの方舟で生まれた巨大生命体
ゾハルエミュレーターに取り付いたグノーシスアベルの方舟体内という環境により突然変異し、生まれた巨大生命体。
燃えるように赤く、獣の様にしなやかな躯体の両腕に備わる二本の鞭は、それ自体が意思を持つ大蛇のように動き、E.S.のぶ厚い装甲板を容易く引きちぎる程の攻撃力を誇る。
なおナートゥス・フラッマというその名は「炎より生まれしもの」を意味する。
ナートゥス・ルーメン
アベルの方舟で生まれた巨大生命体
ゾハルエミュレーターに取り付いたグノーシスアベルの方舟体内という環境により突然変異し、生まれた巨大生命体。
深海を思わせる深く蒼いその躯体は射撃による攻撃のみに特化されたものであり、両手に備わるビーム砲での電光石火の速射攻撃を得意とする。
なおナートゥス・ルーメンというその名は「光より現れ出しもの」を意味する。
ネットプリーチャー
ヴォイジャーの呼称
V.L.V.の人間がヴォイジャーを指して付けた呼称。
断片的にヴォイジャーに関する情報を入手していた反U.M.N.組織の人間は、ヴォイジャーが自ら殺害した被害者の意識をU.M.N.内に構築した仮想空間に閉じ込めていると考えていた。
事実ヴォイジャーの被害者達は、ヴォイジャーによって自らが望む世界を提供されていると認識しており、被害者としての意識を持っていない。こうしたヴォイジャーの巧妙な手口を辻説法に例えて、名づけられた呼び名である。
ネピリムの歌声
ゾハルを制御する為の装置の一つ
ヨアキム・ミズラヒが生み出したゾハルを制御する為の装置の一つであり、巨大な逆三角錘の形状を持つ。
かつて、U-TIC機関本部であったラビュリントスの内部に格調されており、シオンは母親の病室からその姿を目撃している。
ネピリムの歌声はその名のとおり、普通の人間の耳には聞こえない歌声(波長)を奏でる。その歌声はグノーシスを引き寄せるといわれている。
本来、ネピリムの歌声とはにも記載されている神の言葉──遺物の一つであり、その言葉をグリモア・ヴェルムという人物が解析し、レメゲトンというプログラムを作り出した。
ヨアキムはその断片化したプログラムを、ウ・ドゥシステムの一部として再構築し、そこから発せられる波動の可聴領域成分にネピリムという言葉が含まれていることから、このシステムをネピリムの歌声と命名した。
15年前のミルチア紛争時にネピリムの歌声が使用されるが、ヨアキムによる調整が行われていなかった為出力が足りず、ゾハルの稼動まではいたらなかった。
歌声そのものにグノーシスを召還する力は無い。グノーシス出現は、あくまで歌声によってウ・ドゥと断片的な接触をしてしまった人々の意識に対して、ウ・ドゥが活性化した結果、虚数領域の扉が開かれたことによるものであり、事実、ミルチアでのグノーシス出現現象は、恐怖、孤立を感じた幼いシオンが、ウ・ドゥとリンクしゾハルを稼動させたのが直接の原因となっている。
白化
グノーシスと接触することによって身体が白く変化し砕け散る現象
グノーシスに接触された人間には、大抵の場合、身体が白く変化して粉々に砕け散る現象が起こる。身体の白化からグノーシスに変異する事例も稀ではあるが確認されている。
シオンアンドリューは、巡洋艦ヴォークリンデにおけるグノーシス襲撃事件の際、グノーシスに襲われ僅かな時間だが白化現象に陥る。両者は一命を取り留めたが、その後アンドリューだけがグノーシスに変異した。
白化した者はいつか必ずグノーシス化するという事実に反して、現在もシオンは最悪の事態を免れ続けている。そこに如何なる理由があるかは不明である。
反ウ・ドゥ波動
ウ・ドゥが発生させる波動とは反対の波を発生させる能力
ウ・ドゥが発生させる波動とは反対の波動を発生させる能力の事。相殺波ともいえるものでU.R.T.V.に施されている。
プログラム・カナン
監視用プログラム
カナンに搭載されていると言われる監視用のプログラム。どういったプログラムであるかは定かではない。
無意識下で何らかの監視を行うプログラム
カナンが自分の存在理由とまで言うプログラム。
カナンの無意識下で何らかの監視を行うと思われる。コードネーム『ラクティス』がどんな存在であるかは定かではない。
特別な因子を持った人間を捜索するためのシステム群の総称
ヴェクター社が基本概念を考案した、アニマの器への適合者、テスタメントになるために必要とされる特別な『因子』を持った人間を捜索するためのシステム群の総称。
レアリエン開発の黎明期に極めて少数の個体にのみ脳幹の基礎システム部に組み込まれる形で搭載されていた。このプログラムが搭載されたレアリエンは、その意志とは無関係に適合者を見極め、覚醒を手助けする役割を担う。
少数とはいえ、星団全域への配備を目的としていた事を考えると、あくまでもその数は、生産されたレアリエンの総数に対しての相対的な目安としてのものだろう。開発はヴェクター社内で極秘裏に行われ、その存在を知る者は上層部の限られた人間のみであった。
プログラム・カナン搭載型のレアリエンはその本来の役割を終えるとヴェクター社によって回収される。T.C.4700年代中期にはその99%以上が既に役割を終えている。しかしながら、『他の役割』を持った『カナン』が未だ、星団のどこかに配備されているという。
また、カナンが収集したデータだが、ある個体のカナンが得たデータは即時にヴェクター社のデータベースへアップロードされ、別のカナンヘと自動的に分配される。ただし、一部のデータに関しては防壁が敷かれデータの分配が制御されている。
プロトオメガ
神の遺物の一つ
ミルチア紛争時、U-TIC機関で建造運用された神の遺物の一つ。
その後、ゾハルとの連動運用実験が繰り返され、第一次、第二次ミルチア降下作戦時に連邦軍迎撃に出撃した。第三次降下作戦時も出撃する手はずになっていたが、グノーシス出現の混乱により、格調庫内に放置されたままとなってしまう。
ミルチア紛争後、ミルチアに降り立ったセルギウス17世によって再び運用される。
神の遺物の一つ
ミルチア紛争時、U-TIC機関で建造運用された神の遺物の一つ。元はアブラクサス(ミクタム)で建造されていたものだが、ミクタム崩壊の折にミルチアへと持ちこまれた。
その後、ゾハルとの連動運用実験が繰り返され、第一次、第二次ミルチア降下作戦時に連邦軍迎撃に出撃した。第三次降下作戦時も出撃する手はずになっていたが、グノーシス出現の混乱により、格調庫内に放置されたままとなってしまう。
その後、ミルチアに降り立ったセルギウス17世によって再び運用される。ミルチア崩壊後はディミトリ・ユーリエフに回収され、Y資料に基づいた最終的な改修を受ける。
ペンダント
シオンが身に着けているクリスタル状のペンダント
シオンが身に着けているクリスタル状のペンダント。ケビンより贈られたものであり、幼い頃に死んだケビンの母親の形見である。
単なるクリスタルの結晶ではなく、内部にピンク色の物体が埋め込まれているように見える。この物体は、ケビンが幼いシオンと育てた花の花びらであり、シオンとの大切な思い出として、母親の形見に封じ込めたものだった。このことから、ケビンのシオンに対する思いの強さが伺える。
マリアの巫女
T-elosがシオンを指して言った言葉
T-elosシオンを指して言った言葉。
シオンの前世
シオンの前世。その言葉のニュアンスから、何らかの形でマリアの能力をサポートする役割を担っていたものと推測される。
シオンのゾハルに対する親和性は、母であるアオイから受け継いだ血というよりは、ロスト・エルサレム時代にマリアと心を通わせた彼女自身が持つこの特殊性に起因する物であると思われる。
ヨシュア
ヴィルヘルムの所有する機体
ヴィルヘルムの所有する機体。一見するとのようであるが、アニマの器を搭載しておらず、ヴィルヘルムから直接エネルギーの供給を受けて稼働しているので、原理的には全く異なった機動兵器である。
機動兵器であると同時に、曙光のメインリアクターであり、そしてツァラトゥストラの制御システムのコアとしての機能を有している。
他のE.S.が神の遺物のデータを基に建造されているのに対して、このヨシュアはヴィルヘルム自らの手で新たに建造された機体である。
故にヨシュアはヴィルヘルムの半身とも言える機体で、機動兵器として運用された場合の戦闘力はE.S.のそれを遙かに上回るが、ツァラトゥストラの制御システムとして運用されている間は、その機能、戦闘力は大幅制限されてしまうというウイークポイントも併せ持っている。
領域シフト
その領域内のすべてを別の場所に移動させること
空間そのものを位置や位相の異なる空間にまるごと転移させるという、全ての法則から逸脱した現象である。結果、存在していたはずのものが、まるで初めから何も無かったかのように消えてしまう。
ロスト・エルサレムは、ゾハルの暴走で引き起こされた領域シフトにより、プランクスケールまで縮小、その存在が消滅したとされている。
リンクマスター
U.R.T.V.全員の精神を連結させる、精神リンクの要
U.R.T.V.は、ウ・ドゥを消滅させる波動を放つために精神リンクを展開する。リンクマスターとは、その展開を指揮する者のことを指す。その役目は反ウ・ドゥ波動の強いルベドが担っていた。
U.R.T.V.はウ・ドゥと対になる固有の思念波を形成できるように調整されており、その思念波をリンクマスターが設定し、それに合わせて他のU.R.T.V.は思念波を調整するようになっている。
レッドドラゴン
反ウ・ドゥ波動の最終ブースター
反ウ・ドゥ波動の最終ブースター、その発生モードの事を指す。
Jr.はこの能力を操り、各U.R.T.V.ユニットから送られてきた波動を増幅、収束してウ・ドゥの波動と対消滅させる役割を持たされていた。出力は限られるが、Jr.単体での発生も可能である。
レメゲトン
ゾハルの制御用プログラム
ロスト・エルサレム時代に、ヴェクターのプログラマーであったグリモア・ヴェルムによって構築されたゾハル制御用プログラムで、ある特定の波長を生み出す事ができる。
その波長はゾハルの稼動だけではなく、グノーシスの出現にも何らかの影響を与えるらしく、グリモアはこの波長を利用してグノーシスを操り、グノーシス・テロを引き起こしていた。
レメゲトンはミルチア紛争時に断片化され、その後U.M.N.に四散してしまった。半年前にグリモアがすべての断片を集め、再結合したが、グノーシス・テロ後、グリモアの死亡により再び行方がわからなくなってしまった。
ヨアキムはこのレメゲトンを元に、ゾハルの制御システムである『ウ・ドゥシステム』と『ネピリムの歌声』を製作した。
実はレメゲトンは、はるか太古にある男が残した言葉の一つであり、グリモアはその言葉を解析し、プログラム化した。そして、この言葉を残した男というのが、数千年前のケイオスである。
Y資料
ゾハルに関する研究資料といわれている物
ヨアキム・ミズラヒが残したゾハルに関する研究資料といわれており、ミルチア紛争時にヨアキムの手によってモモの深層意識の中に封印された。
実際には、はるか太古の人間により記された、神の言葉が記録されたデータであり、ヨアキムはこれらの言葉を解析する事で様々な研究成果を生み出すことができた。
その中の情報の一つに、15年前に閉ざされた旧ミルチアへのU.M.N.転移コードが記録されており、このコードを手に入れる事ができれば、再び旧ミルチアへゲートジャンプが可能となるだけでなく、旧ミルチアに眠るオリジナルゾハルを手に入れる事が可能となる。
その為、U-TIC機関連邦政府はこのY資料をめぐっての激しい攻防戦を繰り広げることとなり、モモの確保のために全力を注ぐ事となった。
モモは接触小委員会に保護された後、第二ミルチアのU.M.N.管理センターにて、Y資料のプロテクト解除とサルベージが試みられたが、アルベド・ピアソラの策略により解析は失敗。データの外部への流出を招き、ミルチア宙域での局所事象変移を引き起こす結果となった。